ブレーキングマイスターへの道・ブレーキングテクニックのすべてがわかる

【STEP3】間違いだらけのブレーキパッド選び

ブレーキパッド摩材のキャラクター

理想的なブレーキングを行うために、使用するブレーキパッドの効きも大きなファクターとなります。

下のグラフは、ブレーキの踏み始めから、踏力(黒ライン)を一定に増加していったときの、ブレーキパッド特性による効きの違いを表しています。

ブレーキパッド特性による効きの違いグラフ

Aは、踏力をかけた瞬間から、大きな効きが発生しています(初期の効きが強い)。そして、その後も、踏力以上の効きを継続させています。

Bは、踏力をかけた瞬間は、少し強めの効きとなっていますが、踏力を上げていくと、効きが追従してきません。一般的に“すべる”とか、“奥で効かない”といったタイプです。

Cは、踏力をかけた瞬間の効きが弱く、その後、踏力を上げても、効きが上がってきません。

Dは、踏力をかけた初期の効きは弱いものの、踏力を上げていくと、急激に効きが立ち上がり、効き過ぎるピーキーなタイプです。

このように、ドライバーが同じ踏力をかけても、ブレーキパッドの摩材特性によって、実際の効きは大きく違ってきます。ドライバーは、この摩材による効きの違いを考慮して、踏力を調整し、理想的な効きに近づけることになります。たとえば、Aであれば踏力は弱めに、Cでは強めに調整しなければなりません。そして、これら摩材特性の中でも、特にDのようなタイプでは、コントロールが非常に難しくなってしまいます。

ブレーキパッド摩材の特性が、タダでさえドラテクの中で一番難しいブレーキングをより難しくしていることは、よくあることです。

ドラテクの中でも、非常にデリケートで難しいパートだからこそ、踏力に効きがリンクした摩材を選ぶことは、とても重要です。

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