フロントのブレーキパッド摩材は、車重、サーキット、タイヤ等でチョイスができますが、リアのブレーキパッド摩材は、チョイスする要素が少し複雑です。
リアパッドの制動力が高いことへのメリット / デメリットは、以下のとおりです。
リアパッドの制動力が高いことのメリット
リアパッドの制動力が高いことのデメリット
一般的に、ドラテクが上達するに従い、少しずつ、リアの効きが強くなる傾向になります。なぜなら、純正でのブレーキバランスは、リアロックによるブレーキングオーバーになることがないように、かなりリアの制動力は、弱めにセットされているからです。この状態から、デメリットの部分の症状が出る寸前まで、または、デメリットをドライバーがコントロールできる範囲内で、少しずつ、リアの効きを強めるというのが、フロント / リアのバランスをとるときの王道です。
また、求められるリアパッドの効きは、クルマのセットアップにも大きく左右されます。
同じ車輌でも、コーナー進入時にアンダーステアの強い場合は、リアパッドの効きを強めることはできますが、ブレーキングからステアリングを切るあたりで、少しでもオーバーステアの傾向があるようなセットアップでは、それ以上、リアパッドの効きを上げることはできません。
同様に同じ車種でも、たとえば、ランサーエボリューションの、GSRとRSのように、リアのウエイトが違う場合も、リアパッドのチョイスは変わってきます。この場合、リアのウエイトが軽いRSの方が、GSRより、効きの弱いリアパッドのチョイスとなります。
もちろん、GTウングを装着して、ブレーキング中のリア荷重をある程度確保できれば、装着前よりも、1ランク効きの強いパッドを使用することも可能になることもあります。
以上のように、クルマのセットアップと、ドラテクの上達レベルに合わせて、リアパッドの制動力は変わってきます。