ブレーキングマイスターへの道・ブレーキングテクニックのすべてがわかる

【STEP4】条件別 摩材選びのポイント!

ロータ温度別パッドの選び方

ロータ温度によって、使用するブレーキパッド摩材は違ってきます。

基本的には、ロータが高温になるに連れて、高温でも、しっかり制動力をキープできる効きの強い摩材がマッチングします。

しかし、我々が計測できるロータ温度は、ピットに戻って計測するロータ温度であることを理解しなければなりません。

 

ロータ温度 = ピットで計測するロータ温度

 

ピットで計測するロータ温度は、おおまかな基準にはなりますが、実際のブレーキング中の温度と必ず一致するものではありません。

なぜなら、実際のブレーキング中のロータ温度は、ピットで計測する温度より、最大で200℃ぐらい高くなることがあるからです。耐久レースの夜の走行を見た人は、見覚えがあると思いますが、ブレーキング中のロータが赤く見えても、ブレーキが終了すれば、赤くはありません。これは、ブレーキング中に温度が上がっている証拠です。

また、ミニサーキットのように、コーナーで通常のブレーキングを行って、すぐにピットに入れるレイアウトでは、走行中のロータ温度と、ピットで計測する温度との開きはそれほど大きくありません。しかし、富士スピードウェイのように、延々とピットまで、ブレーキを冷やしながら帰らなければならない、レイアウトとでは、当然、走行中のロータ温度と、ピットで計測する温度との開きは大きくなります。

以上のことから、ピットで計測するロータ温度と、走行中のロータ温度は完全にはリンクしません。ときに、ピットで計測するロータ温度がさほど高くはないのに、制動力の強いパッドがマッチングしたりするのは、これらの理由によるものです。

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