ポリシー・「ZONE」開発秘話

理想のブレーキパッドへのこだわり

私たちが考える理想のブレーキパッドとは、まず、効きが強すぎないことです。
効きが強すぎると、弱い踏力で、ブレーキをコントロールすることになりますので、少し踏力が変化するだけで、効きが大きく変わり、ピーキーで扱いにくい状況となります。
そして、何よりもリリースコントロール性能がスポイルされますので、うまくブレーキを残しながらコーナーに進入できないことから、有効な荷重移動を使うことができません。

反対に、効きが弱すぎるブレーキパッドもNGです。
効きがあまりにも弱いと、減速するために、大きな踏力が必要となり、ドライバーは自身の最大踏力近辺で踏力コントロールをすることになります。
こうなると、肉体的に、かなり難しく、細かな踏力コントロールをすることは不可能です。

クルマの重量や、ブレーキ容量、タイヤのグリップ、使用するサーキットのレイアウト等の条件で、ブレーキパッドに求められる効きの強さは決定されますが、ドライバー自身の最大踏力の60~80%の力で、JUSTな効きを実現できるパッドをチョイスすることがとても重要です。そして、このJUSTな効きは、一般的な常識より、少し効きが弱い方向に存在すると、私たちは考えています。

最適なブレーキパッド踏力

また、踏力に対して効きがリニアなことも重要です。
カンタンに言うと、踏んだら踏んだ分だけ効きが立ち上がり、緩めたら緩めた分だけ効きが弱まってくれるブレーキパッドです。効きが加速度的に立ち上がると、踏力コントロールが難しいだけではなく、必ずリリースを開始する部分で、ロータへの張り付き感が発生し、リリースコントロール性能が悪くなります。

止まることだけを考えれば、効きが強いブレーキパッドは有効かもしれません。
しかし、ラップタイムを出すために必要なブレーキパッドとなると、効きが強いことは、デメリットです。ある程度、ブレーキペダルを強く(最大踏力の60~80%)踏んだ時に、最適な減速力を発揮するブレーキパッドこそが、私たちが考える理想のブレーキパッドです。

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