ブレーキングマイスターへの道・ブレーキングテクニックのすべてがわかる

ウンチク編

パッドの当たり付け

本製品を装着して走行する場合には、必ず当たり付け(ベディング)を行なってください。
当たり付けを行う前では、図1のようにロータに対してパッドがきちんと接触していない状況になりますので、本来の制動性能を発揮することが出来ません。(グラフ①参照)
この状態で全開走行を行うと、本来の効きを発揮せず非常に危険です。

 

パッドの当たり付け方法
パッドとロータをきちんと接触させるために、以下の手順で当たり付けをしてください。

まず、アタックペースの30~50%くらいのゆっくりとしたペースで効きを確認しながら、ゆっくりロータ温度を上げていきます。(このとき急激にロータ温度を上げてしまうと、摩材に均一に熱が入らず、トラブルの原因となります)

周回を重ねロータ温度が400℃くらいまで温度が上昇してくると、少しずつパッドとロータの接触面積が増えてきますので、効きが向上してきます。効きの変化を確認しながら徐々にペースを70%くらいまでに上げていきます。
そのままのペースで周回を重ね、効きが安定した段階(グラフ②)から約2周、周回します。その後1周クーリング走行をして、冷却してください。
このときクーリングせずにPITに入ったりすると、完全停止した後でキャリパ温度が上がり、ロータが均一に冷えにくくなります。
結果、ロータに変形が起こりやすくなり、ジャダの発生原因になる恐れがあります。

当たりが付くまでの、おおまかなラップ数は、5~15ラップです。
しかし、車種や車輌の状況、走行するコースレイアウト、運転操作の仕方で当たりが付くまでの時間は変わります。また、効きの変化も全ての条件で同じではありません。

前のページへ 次のページへ