ブレーキングマイスターへの道・ブレーキングテクニックのすべてがわかる

【STEP2】「止まるブレーキ」&「曲がるブレーキ」

 止まるブレーキング

最大踏力時のコントロール

初期踏力のポイントでは、ロック寸前の領域まで、いかに速くもっていけるかがテーマでした。そして、荷重がフロントに移りきった状態では、荷重によるタイヤのグリップと、ブレーキの前後バランスがとれて、一番ブレーキが効く状況となりますので、ここでは、ロックさせることなく、いかにそのロック寸前の状態をキープできるかが目標です。

これもブレーキ踏力のデータロガーをグラフ化した線形をみるとわかりやすいと思います。

踏力が横に推移するグラフ

グラフのように、ブレーキの踏みはじめから、踏力はどんどん強くなっていきますが、フロントへ荷重が完全に移りきるあたりから、踏力はキープ状態になります。

この踏力が“横へ走る”(踏力が強くならずキープされる)状況は、文章で書くと、とても簡単のように感じますが、じつはかなり難しいテクニックになります。

なぜなら、最大踏力になるまでの時間はスゴク短く、それまで、どんどん踏力が強くなっているわけですから、その流れを打ち切って、踏力をキープするには、かなりの熟練が必要です。

このときの失敗例としては、どんどん踏力が強くなる流れを打ち消せず、グリップの限界以上の踏力をかけてしまいロックしてしまう場合と、踏力が強くなる流れは、打ち消せるが、キープではなく踏力が緩んでしまう場合です。

グラフで説明すると、できるだけ速く、かつフロントタイヤがロックしない状況で踏力を一気に立ち上げ、最大踏力(これ以上強く踏んだらロックする踏力)近辺でグラフを折り、踏力が“横へ走る”状況を作れれば、かなりのブレーキングです。これができれば、「止まるための」ブレーキングは、OKです。

また、荷重が完全に移りきった後、踏力を上げても、ロックしない場合は、初期踏力の立ち上がりが、甘いと言うことになります。

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