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究極のブレーキングテクニック(解説)

「ZONE」を有効に使用するためには、ブレーキングテクニックの本質的な部分を正しく理解することがとても重要です。ここでは、どのようなブレーキングが効果的かを時間軸に沿って説明しますが、じつは、ラップタイムの短縮を目的としたブレーキには2種類のブレーキングが存在します。

まず、ひとつ目は、「止まるためのブレーキング」です。これは、ブレーキングの前半部分となり、ポイントは、「いかに速くスピードを落とすか」です。そして、この「止まるためのブレーキング」が終わると、次は、「曲がるためのブレーキング」へと切り替わります。「曲がるためのブレーキング」とは、ブレーキペダルの踏力を徐々にリリースし、曲がるための準備を行うことを指します。

下のグラフを見てください。

これは、富士スピードウェイ(1コーナー)をレーシングカーで走ったときのデータロガーです。黒いラインはスピード、赤いラインはブレーキ踏力、そして青いラインはステアリング舵角をそれぞれ表しています。

①の部分では、一気にブレーキを最大踏力まで立ち上げ、そのまま最大踏力をキープする「止まるためのブレーキング」が行われています。それに伴い、黒いラインのスピードは下降し、減速が進んでいます。

そして、②の部分を境に、どんどんブレーキ踏力が弱まります。ここからが、ブレーキリリースによる「曲がるためのブレーキング」となります。黒いラインのスピードも、下降カーブが少し緩やかになります。

③のステアリング舵角を見てもわかるように、ブレーキリリースが始まった直後から、ステアリングを切り込んでおり、この舵角はどんどん大きくなっています。これを、タイヤグリップで説明すると、「止まるためのブレーキング」では、ステアリングを真っ直ぐにし、タイヤの縦方向のグリップを最大限に使用し、一気に減速させています。そして、後半部分では、ブレーキリリースにより、タイヤのタテ方向の力を弱め、ヨコ方向にグリップを使う準備をし、ステアリングを切り込んでいます。これが、「曲がるためのブレーキング」です。

止まるために必要なタテのグリップから、ブレーキをリリースしながらハンドルを切り込んで発生させるヨコのグリップ。「タテからヨコ」へ、確実にグリップの方向を変換するには、これら一連の動作をドライバーが的確に行うことと、ブレーキパッドのリリースコントロール性能がすべてと言っても過言ではありません。

ブレーキペダルをリリースしはじめたときから、ダイレクトに効きがリンクする究極のリリースコントロール性能を手に入れるには、車輌の重量、タイヤグリップ、使用サーキット等、多種多様の要素から決定する、そのクルマにとってちょうど良い効きのブレーキパッドをチョイスすることがとても重要です。

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