ブレーキパッドに使用される基材により、ブレーキパッドのキャラクターが決定付けられます。ノンアス材、フルメタル、セミメタル、カーボンメタル、セラミックカーボンメタル等、呼び名は、ブレーキパッドメーカーにより様々ですが、弊社では、下記のとおり3つのジャンル分けを行っています。
スチール繊維(鉄)を含まないノンアスベスト材。
鳴き、ダストが少なく、効き方がマイルドで、コントロール性に優れます。
しかし、絶対的な効きの強さや、対応温度には限界があることから、サーキットパッドとしては、比較的、ロータ温度が上がらず、強い効きを必要としないFFのリアなどに使用されています。
また、ストリートパッドとしても、非常にマッチングが良好です。
■摩材本体の耐熱温度 500℃レベル
スチール繊維を10~30%含む摩材。
スチールの配合で、NAO材よりも効きと耐熱性が向上しますが、配合割合が少ないことから、コントロール性 / リリースコントロール性も確保されます。
通常、サーキットパッドというと、ハイスチール材がメインとなりますが、ハイレベルなロースチール材で対応することで、ハイスチール材よりも効き方がマイルドとなり、リリース時の張り付き感も少なくなります。もちろん、高温での制動力といった点ではハイスチール材に劣りますが、ハイスチール材よりもロータに優しく、鳴き、ダストも少ないこともメリットです。
■摩材本体の耐熱温度 700℃レベル
スチール繊維を30%以上含む摩材。
高温での制動力、耐フェード性、耐摩耗性に優れますので、ハイパワー車や、重量のあるクルマ、グリップの高いタイヤ等、絶対的な効きが必要で、ロータ温度が高い状況にマッチングします。
また、ロータ温度が低い状況では、本来の効きを発揮できず、ロータの攻撃性も強くなりますので、ストリートでの使用は不向きです。
■摩材本体の耐熱温度 900℃レベル